身内が亡くなり、年賀状を出すことができなくなったときは年賀欠礼状を親しい人に送付します。つまり喪中はがきを送付することになります。喪中はがきは、コンビニや印刷業者に依頼して印刷してもらうか、自分でパソコンやスマホで作ることになります。今回は、自分で喪中はがきを作るときに無料で使える素材をまとめました。おしゃれ・かわいいなどのデザインや薄墨・蓮・桔梗などのモダンなテンプレートなどの喪中はがきに適したイラストを紹介しています。
喪中はがきに使える無料イラスト素材22選
喪中はがきの裏面に入れる挨拶文だけでイラストとかを入れない無地でも構いませんが、それだけだとどうしても味気ないので、背景にワンポイントになるイラストや素材を入れて印刷したほうが見栄えがいいです。でも、あまり派手過ぎないデザインを選ぶほうがいいです。イラストや素材を無料ダウンロードすることもできますので、好きな背景を選ぶといいです。
故人がお亡くなりになった季節の花やスタンダードな蓮や菊、悲しみの涙を表す薄墨のデザインも良いです。喪中はがきは、最近の風習でマナーは臨機応変に変えていくことが多くなっています。シンプルなデザインだけでなく故人の趣味・趣向を活かしたデザインにした喪中はがきも多くなりました。
喪中はがきで使うことができる無料イラスト素材をまとめました。
おしゃれなデザイン
薄墨や蓮などの喪中はがきの定番のイラストや柄からは想像できないほど、おしゃれなデザインの喪中はがきがあります。この画像は水彩画風のデザインで透明感があり、やわらかい雰囲気と思いやりの心が伝わってきます。上品なデザインであれば、喪中はがきに使ってもいいなぁと思うデザインも多くなってきました。それでいて、きちんと挨拶文などのマナーは抑えているのでバランスが取れていると感じします。
かわいいデザイン
喪中はがきのデザインの一例として、ハトと天使の素材をモチーフにした可愛らしいものになっています。天使の絵が描かれている喪中はがきも多くなりましたが、趣味の鉄道やギター、動物などのイラストを使ってものも増えています。色使いはカラフルですが淡い色使いにしているのが特徴的です。パステル色がハッキリとしていると喪中としての雰囲気を損なうことから淡い色にすることがポイントになります。
版画風デザイン
版画風の菊のイラストがかわいい喪中はがきもあります。版画を彫ったような直線が組み合わされたイラストは不器用な可愛らしさがあります。版画のイラストなので葉の緑と菊の花の黄色がくっきりとしています。背景は、薄いグラデーションで仕上げているので派手になり過ぎず、版画の可愛さが引き立った喪中はがきです。
たんぽぽのテンプレート
タンポポの綿毛が空に向かって飛んでいくイラストは故人が旅立った悲しさが表れていて、薄墨ではないのに喪中を感じさせます。タンポポのイラストでも配色や色の置き方が違った4種類が用意されています。他には葉が落ちた木々と雪の結晶が下半分に、上半分は夜空に瞬く星と流れていく星が冬らしい寒色系で描かれているものもあります。
薄墨のテンプレート
サインペンや筆ペンが無いときに、お葬式に持っていく香典袋は墨をすって筆で書くのが当たり前でした。この墨を擦るのに悲しくて力が入らない、それで薄い墨で書きましたという悲しみを表す色です。悲しみで涙があふれ硯に入ってしまって薄くなってしまった墨で書きましたという意味もあります。どちらにしても悲しみを表す墨の色であり、墨が薄くなったものなので色は灰色です。
喪中はがきの文章や宛名を薄墨にする必要はありませんが、薄墨にしてもマナー違反ではありません。喪中はがきのテンプレートでは灰色の濃淡で描かれたすずらんや百合などのさまざまな花を描いたものや、淡いカラーで山並みから日が落ちた空を描き、その上に書く文章を薄墨にしたものなどがあります。
洋風なテンプレート
喪中はがきのテンプレートでは、和風なものが多く、洋風のテンプレートはあまり見かけないです。太陽が雲に隠れて、その隙間から光が降り注いでいるテンプレートが洋風っぽいかなと思います。故人を太陽として雲に隠れてしまった悲しさや、故人が残した思い出などが雲の隙間から降り注ぎ悲しみを現しているという意味が読み取れるデザインです。
スミレの喪中はがきもおすすめです。おとなしい紫色のスミレの花が右下と左上に配置されています。背景として配色された薄青や薄紫色は花と同系色にしたことによって派手になり過ぎず、おとなしい洋風の喪中はがきになっています。花を灰色にしたものもあるので色を使いたくない人にはこちらがおすすめです。
黒枠のテンプレート
一番シンプルで誰に送っても失礼にならない柄が黒枠です。はがきより一回り小さい黒枠で飾り、あいさつ文などをその中に書きます。黒枠は細い線から太目のものまであります。色も黒やグレー、カラーの枠もありますが、全体的に黒に近い色を利用したほうが、一目で喪中はがきだとわかる柄になります。シンプルなので、はがきの素材にこだわる人も多くいます。
おとなしい色合いの背景と花をあしらい、薄い色の枠を配置したデザインがあったり、黒枠やシックな花のフレームを選ぶこともあります。
モダンなテンプレート
モダンな喪中はがきの中でも、星空の写真を利用したものなどは、とても素敵です。ただの星空ではなく、葉の落ちた木々の隙間から見える空を写したものは季節を感じられます。一つだけ綺麗に輝く星が故人のようで見上げている構図が喪中はがきにぴったりです。千の風になってという歌がありますが、それがイメージできるような天使の羽を重ねたようなイラストがありました。淡い色で重ねられた羽は故人が旅立っていったことを表し、いくつも重なっているのが広がりを感じます。
エプソンのテンプレートはモダンな雰囲気の背景が多いです。背景とフレームと飾り文字を組み合わせて自分の好みの喪中はがきが作成できるのが便利です。
蓮の素材
蓮は喪中はがきに多く用いられている人気の花です。泥水の中に咲く大きな花は、仏教と縁が深いのでよく用いられるものです。白やピンクの花があり、喪中はがきには蓮の葉と一緒に描かれていることが多いです。薄い色ではがきの下にひっそりと咲いていたり、背景として淡い色彩で飾られていることもあります。蓮の花言葉には神聖や清らかな心、離れゆく恋などがあります。清らかな心は蓮の咲き方から来ています
蓮は泥水から大きな花を咲かせます。不思議なことにきれいな水で育てると花が小さくなり、泥水が苦難や辛いことを表しその中からスッときれいな花が咲くのが人生そのものを表しています。釈迦が歩いた足跡には、蓮の花が咲いたという言い伝えがあり、そこから神聖という花言葉が来ています。蓮の開花を見るのは、朝早くに行かなければなりませんが、静かで清らかな早朝にポッと咲くさまは神聖な気持ちになります。仏教に深い縁がある花です。
菊の素材
蓮と同じくらい良く使われているのが菊です。お葬式で白菊をお棺に入れることもありますが、白い菊で飾られた故人は神聖で清らかです。喪中はがきに使われている菊はカラーのイラストや白黒まで多彩に取り揃えられています。菊の花びらを丁寧に書き込んだデザインや、上から見た菊、横から見た菊などあります。色は白や黄色が多いです。
菊は天皇家の紋でもあり、十六の花びらがある花を上から見た図がそうです。菊の御紋は後鳥羽上皇が好んでいた花で、それが皇室の紋になりました。その後、西洋の文化が入ってきて菊が仏花になりました。菊の花言葉は色によって違っていて、赤はあなたを愛しています、白は真実、黄色は敗れた恋という意味があります。
桔梗の素材
桔梗は星形の花の形をした青紫色の花や白い花もあります。つぼみはコロっとした風船みたいでかわいい姿から英語ではバルーンフラワーといいます。喪中はがきのデザインでは、薄紫や白のおとなしい配色で静かなイメージのあるイラストが多いです。桔梗は誠実という意味があり、他には清楚や従順、永遠の愛という意味もあります。桔梗は、七草のひとつなので秋の花のイメージが強いですが、春の七草は1月7日におかゆに入れて食べますが、秋の七草は観賞用です。おみなえし、おばな、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎが秋の七草です。
青い桔梗の花を使ったものが多い中、白い桔梗の無料テンプレートが目をひきます。文字つきや文字なしのテンプレートもあり、便利なところは背景だけでなく、文字の種類も選べて好みの喪中はがきを作成できます。
コスモスの素材
コスモスは漢字で書くと秋桜と書き、秋に咲く可憐な花です。喪中はがきではピンクが多く使われ、蓮や菊に比べるとあまりテンプレートで見かけるのは少ないですが、使ってもルール違反にはならない花です。コスモスの花をはがきの上部から下へ川に流れるように描いたイラストは、川はあの世との境目を意識させますし、そこに故人の好きだった花が流れている様は悲しさがあります。
花言葉は調和で、花の色によっても違う意味を持っています。赤いコスモスは愛情、白は純潔、ピンクは少女の純潔などあります。黄色のコスモスは自然にできた色ではなく、人工的に品種改良で作られたものですが、花言葉は野生の美しさ、自然の美です。品種改良に成功した喜びが感じられる花言葉です。
⇒喪中はがきテンプレートのコスモス
※サイトが削除されてしまったようで、このデザインをダウンロードすることが現在できません。
桜の素材
国花と言われている桜は、新しい生活が始まる3月、4月に咲きはじめる花です。桜前線がニュースになるくらい日本では好まれている花です。喪中はがきに桜を載せるのはちょっと微妙といった声もありますが、ピンクが強い色を使用しないほうが無難です。故人が好きだった花としてワンポイントにするのかいいです。桜が好きな人は多いですし、お亡くなりになったのが4月あたりだったとしたら、桜の花をはがきに添えてもいいです。
桜を使うときは、淡いピンクや薄墨のイラストにするのがおすすめです。桜の語源はいくつかあり、古事記に登場するコノハナサクヤノヒメが撒いた種が桜だといわれています。桜の花言葉は精神の美、優美な女性という意味があるそうです。
すずらんの素材
すずらんは、花が下を向き鈴のように咲く白い花です。喪中はがきの無料テンプレートのデザインにもよく使われているイラストの花です。花を包むような大きな葉の緑を背景に小さく可愛いすずらんの花がいくつもあるイラストは控えめな可愛さがあります。白いすずらんのイラストが多いので、背景にしても違和感がありません。他には、青紫のグラデーションですずらんをかたどり花だけ白く抜き取ったイラストもあります。
すずらんは5月頃に咲く花なので、故人がお亡くなりになった時期の花を添えるといいです。喪中はがきの花はあまり派手な色合いにならないようにする人が多いです。緑と白のカラーのすずらんも風情があります。ヨーロッパでは、すずらんの花が幸福をもたらしてくれると言われ、新年の挨拶は出来ないけど、すずらんのはがきで幸せを祈るという意味も含んでいます。花言葉は再び幸せが訪れる、純粋、謙遜などがあります。
南天の素材
南天は、赤い実がたくさんついた植物です。お正月の飾りにもなりますし、雪でウサギを作ったときの目に使うことがあります。喪中はがきでは、実が赤いので派手になりがちなので、あまりくっきりとした赤だと喪中はがきにふさわしくないと思う人もいるかも知れません。色味としては、なるべく淡い色彩のものを選ぶと良いです。ポスコミにある南天素材の喪中はがきは赤というより朱色の優しい色になっているので、これくらいの色彩なら、喪中はがきにぴったりです。
くっきりとした南天の柄は寒中見舞いとして利用するほうがいいです。喪中はがきを出していない人から年賀状が送られてくることもあるので、松の内が過ぎてから南天イラストの寒中見舞いはがきを出すといいです。南天の花言葉は福をなす、よい家庭などです。
百合の素材
百合は、すっと伸びた茎に大きな花が咲いて毅然とした姿を見せてくれます。美しい人を表す「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉があります。百合の球根は一枚一枚剥がすことができ、全部剥がすと百枚になることから百合という漢字が使われています。喪中はがきでは、一つの茎から花とつぼみが付いているイラストが多く、白いユリを素材にするのがスタンダードです。
書式の王様に薄墨の背景に百合の形を白く抜いたイラストがあり、花から零れ落ちた水滴が悲しみを表している素敵な素材です。文字なしで自分の好きな書式で文面を作れます。百合の花言葉は純粋、無垢、威厳です。白さに純粋や無垢といったイメージがあり、威厳は白さというより百合の姿のイメージです。威厳のあった故人や凛としてた女性の喪中はがきに使うのがおすすめです。
彼岸花の素材
葉がなく、茎がすっと伸びて大きな花を咲かせる彼岸花は名前があの世を思わせることから、別名死人花、幽霊花、捨子花などとも言われます。葉と花が一緒にあるのが普通ですが、花が咲いてから葉が伸びてくる不思議な花です。秋のお彼岸に咲く花なので、彼岸花と言われます。紫のグラデーションの背景に上から下に白い線がいくつか流れていて、流れた線の下に白抜きの彼岸花、その隣には背景と同じ紫のグラデーションの彼岸花が並んでいる素材があります。白い線は川を思わせますし、あの世とこの世の彼岸花を表しているデザインです。
ササガワのテンプレートに一輪咲いた彼岸花があります。ササガワではwordや一太郎、ラベルマイティでダウンロードが出来ます。彼岸花の花言葉は悲しき思い出、あきらめ、独立などがあります。
藤の素材
藤は高いところから下がった花が雅やかです。古典によく出てくる花で、女性に例えられる花で、男性は松に例えらます。色彩も豊かで、藤色から桜のようなピンク、黄色や清らかな白藤があり、長く続く藤のトンネルは感動です。喪中はがきの藤は、はがきの上から垂れ下がるようにデザインされたものがあります。喪中はがきに出てくる花は、はがきの右下に置かれることが多いので、上から垂れ下がる藤の花は他と違う喪中はがきを演出できます。
藤の花言葉は優しさや決して離れない、歓迎という意味があります。ツタが巻き付くさまが決して離れないという花言葉になったものです。古典に出てくる花なので、誰に送付しても良いイラストの花です。
富士山の素材
世界文化遺産に登録された富士山は、昔から信仰の対象とされてきた霊山です。桜の種をまいたと言われるコノハナサクヤノヒメを祭神とした浅間神社は富士山にあります。富士山のテンプレートは山頂に雪が積もっている薄い紫の背景で、横書きまたは縦書きの文章が入っている素材です。富士山と桜をデザインしたテンプレートもあります。文字入りと文字なしが選べ、文字無しは、自分で文章を作成するか、文例から文字データを持ってくると楽に作成できます。スマホやLINEで使用できる素材もあり、キャノンのサイトではテンプレート素材をスマホでプリントできます。
山の素材
雲海に浮かぶ山並みを背景に、手前には木々を配置したテンプレートがあります。一色だけで描いた山並みは静かなイメージがあり、喪中はがきにピッタリな背景です。文面をいくつか選ぶことが出来るのでイメージに合う喪中はがきをダウンロードすることが出来ます。ワード(Word)でダウンロードできるので、文字の編集が簡単です。また、紗がかかって色彩がぼんやりした山と湖の写真があります。
湖と山と空がバランスよく、綺麗な背景で、カラーもきれいですが、色をあまり使いたくないときはモノクロの湖と山のイラストを利用するといいです。湖では空が映っていたり、山が映っていたりするので静かな湖面をイメージでき、静謐とした雰囲気を出したいのでしたら山と湖があるイラストがおすすめです。
雪の素材
喪に服しているときの気持ちは、季節で言えば冬で、近しい人がお亡くなりになった悲しみが冬の景色に現れています。喪中はがきのイラストで、冬の景色を背景にしているものがあります。青い背景に雪の結晶が舞い落ちるイラストは、くっきりとした結晶ではなく、背景の青に滲んでぼやけている結晶で悲しみで滲んでいますといった意味を持たせています。文面も入っているので少し編集するだけで印刷することができ、フリー素材なのが嬉しいです。
キリスト教用イラスト
キリスト教では忌中という習慣はありません。死を穢れ(けがれ)と、とらえませんので、喪中はがきも出さなくてもいいのですが、気持ちとして出したいということから送付したり、日本の習慣として送付することが多いです。キリスト教徒で使われるテンプレートとしては、冬の木々の上空に天使がいる素材やオーロラと一緒に描かれている天使のイラストは神聖な雰囲気があります。蓮の花の中心に天使がラッパを吹いている素材もあります。淡い色彩の花は、はがきの背景として大きく配置してもよいですし、ワンポイントとして小さくしてはがきの隅に配置してもよさそうです。オーロラが輝く素材や夜空に輝く星と色彩がキレイなイラストもいいです。
まとめ
さまざまなイラストが喪中はがきに使われていますが、全体的に淡い色を使っているイラストが多いです。柄を入れるのは変という人もいますが、喪中はがきにこれはタブーだということはあまりありません。あいさつ状なので故人の好きだった花や景色などを入れてもいいですし、印刷業者が提案しているテンプレートも多種多様になっています。
裏面のテンプレートには文字つきのフリー素材がたくさんあり、複数の人に喪中はがきを送るときは年齢や親しい人などで、テンプレートを変えたりすることができるのが自分で作るメリットでもあります。はがき印刷用のフリーソフトを使って作成する人も多いですが、表書きの宛名・住所などはmacの宛名職人を利用している人も多く簡単に製作できます。
官製はがきにある郵便番号の赤い枠が気になるときには、何も書いていないハガキ大の紙に表面を印刷して私製はがきにして作成しても問題ありません。郵便番号の赤い線は喪中はがきにふさわしくないという人もいるので、私製はがきでもいいですが、郵便番号の赤枠が合っても喪中はがきとしてのマナー違反にはなりません。